こんにちは!ピアリング会員のかつきです。
通院でちょうど有給休暇を取った日に、タイミングよく乳房再建の無料説明会をやっている病院があったので、ちょっと横浜まで行ってきました。
説明会があったのは、「セルポートクリニック横浜」という美容外科。
普通の美容外科ではなく「高度美容外科医療」という厚生労働大臣が定める指針に適合するクリニックだそうです。みなとみらい線馬車道駅近くの2階に入ってるクリニックですが、さすが横浜、さすが美容外科!!
病院なのに、オシャレです。
説明会はそのオシャレなロビーで、綺麗な女性の院長先生ご自身がお話されていました。その日の参加者は、私を入れて5人。院長先生が、再建の様子や実例などを丁寧に説明してくれました。
さっそく再建説明会の様子をお届けしますね!
院長先生がプロジェクターで実際に再建した方の画像をなどを見せながら説明してくれました。
実例の画像をたくさん見せてくれて、エキスパンダーを入れた時の胸の状態とか、温存手術でがんだけ取り除いてちょっと凹んだ胸の様子とか、今まで知りたくてもなかなか見る機会のなかった画像などを見ることができて、とても参考になりました。
◇乳房再建は、形成外科です。整形外科は、骨・関節・神経など機能的改善を重要視して治療する外科で、身体表面が外見上よくない状態になったのを改善するのが形成外科です。
◇昔は、乳がんで胸を切除したらそのまま取りっぱなしということも多かったそうですが、年々、再建したいという方は増えてきているようです。また以前は皮弁移植一択でしたが、その後、シリコンインプラントを使用した再建方法も出てきました。
ただ、以前はまだ保険適用ではなく自由診療だったので、状態にもよりますが片胸100万円くらいかかっていたようです。今は保険適用となり、シリコンインプラントによる再建を選択する方がグッと増えたそう。
そして、最近では、脂肪注入法に幹細胞※を加えたCAL(キャル)という再建方法もでてきました。こちらはまだ自由診療です。
※幹細胞とは幹細胞には色々な働きがあり、脂肪細胞を補充したり、新しい血管を作ったりして、脂肪の生着を高めてくれるようです。
説明会で伺った3つの乳房再建方法を以下にまとめます。
皮弁移植皮弁移植とは、自分の細胞組織を使った再建方法です。
「皮弁」とは、血の通った皮膚やその下の脂肪や筋肉などの組織を一緒に移動させる移植方法のことを言います。広背筋皮弁が背中の肉で、腹直筋皮弁がお腹の肉です。広背筋皮弁から胸の分の肉を取るのが一般的です。
何故なら、背中のお肉を、広範囲に取りますが、実は脇の近くの肉は繋がったままで、後ろから前へ完全に切り離すことなく移動して、胸の肉に据え付けるので、血管が繋がったままで、細胞が生着しやすいのです。
・・・まさか、一部繋がったままで背中の肉を胸の肉にするとは思わなかったのでビックリ。
しかし、背中の肉は少ないため、胸の大きい方だと肉が足りません。その場合、もっとお肉がたっぷりあるところから皮弁を取ってきます。それが、お腹です。ただ、背中に比べると、少し遠くなるし広範囲になるため、手術時間が背中よりも長くなります。皮弁移植は、自家細胞組織なので、自然な仕上がりになり、年とともに垂れ、暖かく柔らかく、一度生着すれば、メンテナンスも必要ありません。いいことずくめのようですが、手術は乳がん切除の比じゃないくらい大変で、傷口も大きく、回復するまで時間がかかります。
状態によりますが、概ね以下の通りだとのことです。
・費用 20~30万(保険適用アリ)
・手術時間 広背筋5時間程度 腹直筋8~10時間ほど
・皮弁採取後の傷跡が残ってしまいます
・皮弁壊死、ヘルニアなどの後遺症、合併症の可能性あり広背筋の傷は、背中側、切ったところからえぐるように肉を取るので、取った範囲に比べて傷跡は小さめです。腹直筋の場合、へその下辺りに一直線に長い傷ができます。
・・・この傷は消えないのか・・・・?
・・・時間とともに薄くなるらしいですが、完全には消えないみたい・・・・
シリコンインプラントは、保険適用となってからは、手術時間も入院期間も少なく、新たな傷もできないので、この方法を選択する人が増えているとのことです。
まず、エキスパンダーで、皮膚を伸ばします。風船のように膨らむエキスパンダーで、大体、半年~1年ほどかけて、胸の皮膚を伸ばし、がんを切除した際にできた傷口から手術するので、新しい傷が増えません。皮膚の下に、エキスパンダーの代わりにシリコンインプラントを入れます。形は完全な丸ではなくて、ちょっと下の方が、膨らみが大きくなっており、胸の形に似せてあります。
シリコンインプラント自体は、触ると意外と柔らかく感じますが、体内に入れてしまうと、隙間なくピッチリと肉で覆うので、予想以上に硬く感じることがあるようです。また、シリコンインプラントの形は、決まっているので、左右の胸の形に差が出てしまうことがあります。
加齢などにより健側の胸が垂れてもシリコンは垂れないので、より左右差が顕著になることも。劣化してしまうこともあるそうなので、大体、数年~10年に一度はメンテナンスが必要だそうです。その際に、もう少し小さいもの変えたりすることはできます。また、逆に、垂れてしまった胸の側にも入れて、シリコンインプラントの方に合わせるという方法もあります。
シリコンインプラントは、丸い形をしているので、挿入した際の周りの肉の段差、凹み、波打ち、脇の郭清のあとなどが、比較的目立ちやすいということもあります。部分切除再建用のものは無いので、温存手術後の再建としては選択できないそうです。状態によりますが、概ね以下の通りだとのことです。
・手術時間 1~2時間ほど
・新しい傷ができない
・少し硬く不自然に感じられることがある。形が決まっている。
・メンテナンスが必要
・走っても揺れない、寄せて上げるが難しい
・・・・ブラジャーを着けた時と同じ胸の形になると思うとわかりやすいかも。
自分の脂肪を注射器のようなもので吸引して、注射器で注入する再建方法です。昔の脂肪注入法は、生着率が2~3割程度と非常に低かったそうです。
それに工夫を重ねて生着率は5割程度まで増加したそうですが、最近は、幹細胞を加えたCALという脂肪注入法があり、個人差はあるけれど6~9割程度まで生着率が上がったとのことです。
以下、CALについて説明会で伺った話をまとめます。
脂肪でボリュームを付けるので、柔らかく温かく、よりなだらかな形に仕上がります。
また、脂肪吸引時に約5mm程度の傷跡ができるだけで傷跡も小さく、入院も1日で済みます。ただ、痩せてる人は取れる脂肪の量に限界があります。また、一回で注入できる脂肪量にも限界があるので、全摘の場合、一回のCALでは終わらない事が多いです。
◇全摘の場合は、CALを繰り返す方法と、シリコンインプラントを併用して、シリコンインプラントを覆うように脂肪を注入する方法、の2つの選択肢があります。
1 【全摘】→【エキスパンダー】→【CAL→CAL→CAL…】十分な大きさになるまでCALを繰り返す
2 【全摘】→【エキスパンダー】→【シリコンインプラント+CAL】1回のCALでできる
できればシリコンインプラントを使いたくない、という方は、CALを繰り返すことで全房を脂肪で再建することができます。
ただし、条件があり、☆吸引可能な脂肪量・皮弁の状態・健康な方の乳房の大きさこの3つがクリアできないと、CALを繰り返す方法による再建は難しい。
・手間暇かけて綺麗な胸を作ることができる。
・平均3回のCALで、最短8ヶ月ほど。手術は日帰りも可能。
・痩せてる人は脂肪が取れないので難しい
・A~Cカップの人向き
・皮弁を厚く残してある必要がある
・自由診療なので高い一方、乳房の大きな方には、シリコンインプラントでしっかりボリュームを作り、その周りにCALを行うことで、シリコンインプラントは目立たず、なだらかで自然なシルエットにする方法があります。
◇皮弁移植やイシリコンンプラントでの再建後、胸の形に納得がいっていない方に、CALによる修正も行っているとのことです。部分的な凹みや変形表面にCALを追加することで、部分的な修正や、なだらかで自然なシルエットに整えることが期待できるそうです。
◇温存手術を受けられた方で、胸の凹みなどが気になる場合シリコンインプラントに部分用はないので、部分的な乳房再建には選べません。皮弁移植は、筋肉と血管を使うので生着しやすいとのことです。CALだと自然な形に仕上がることが期待でき、一度で期待する効果が出なかった場合でも繰り返し行うことができる。
◇放射線治療をしているからと、乳房再建を断る病院があると聞いたことがあります。CALでの再建の場合も、放射線治療後は細胞がダメージを受けていて、皮膚が硬くなってしまっているので、注入した脂肪が上手く生着しなかったり、思ったより膨らまなかったり固くなったり、合併症のリスクが少し高くなるそうです。一方で、CALでは豊富に含まれる幹細胞の効果で放射線治療後の皮膚の硬化や変色の改善などが期待できるそうです。こうしたことから、事前に担当の医師とよく相談をすることが重要だそうです。
◇エキスパンダーを付けている期間は1年程度。磁石が入っているので、MRIはNG。
重いものは持たない、つり革は持たない等の厳しい制限をいう病院もあるようですが、基本的にそこまでの制限はないようです。全摘手術の際に、エキスパンダーを入れる手術を同時に行う病院もあります。
・・・私の時は、これができなかったので、がんの状態や、病院の方針によって変わるのかも。
画像を見ての感想エキスパンダーを入れてる時は、本当に真ん丸という感じで、なんだか不自然。
ですが、服を着た状態ですと、全然わかりません。と、こんな感じでした。
今回訪ねたセルポートクリニック横浜では、CALでの再建を積極的に行なっているそうです。
ほかの病院での再建で、うまくいかなかった場合など、修正しに来る方もいらっしゃる、ということでした。
セルポートクリニック横浜が施術しているCALは、自由診療での乳房再建ですが、院長先生のお話は、CALだけでなく保険診療の皮弁移植やシリコンインプラントという方法もふくめ、それぞれのメリットデメリットをわかりやすく説明してくださったので、様々な方法を比較して考えることができて、とても良かったです。
今回聞いたお話をもとに、私自身の再建について、ゆっくり考えてみようと思います♪
ピアリングレポーター・かつき