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【ドクターズコラム】瞳先生の質問箱vol.3

主治医に聞きにくいことや、これってどうなの?という不安を、ピアリング顧問ドクターの鈴木瞳先生がわかりやすく解説してくれる「瞳先生の質問箱」。
今回は、ジャパンキャンサーフォーラムに合わせた特別編です。

普段なかなか聞けない悩み。瞳先生に聞いてみました!

Q1 牛乳は飲んでも大丈夫?

乳癌になり、牛乳を飲む事にためらいがあります。骨粗鬆症の予防の為、カルシウムを摂取したいのですが。飲んで大丈夫か知りたいです。 

【瞳先生の回答】
がんについてインターネットで検索すると、いろいろな情報が目についてしまい、心配になってしまいますね。でも問題ありません。牛乳を飲むことで乳癌の進行や再発が促進されるということは、医学的には言われていません。
乳製品の摂取は閉経前の方の乳癌発症のリスク低減効果がある可能性が報告されています(乳癌診療ガイドライン2022年版 疫学・診断編より)。

ただし、脂肪含有量の多い非発酵乳製品(高カロリーの牛乳)の過剰摂取はリスクを高める可能性も報告されていることから、偏りすぎないように気をつけてバランスの良い食生活を心がけましょう。

Q2 遺伝性がん。子どもへの伝え方は?

母子健康手帳に遺伝性がんの家族歴のページがありません。私のがんのこと、子や孫に伝える方法はありますか?

【瞳先生の回答】
遺伝性がんはその人の人生に大きく影響を与える可能性がある、極めて重要なことですので、お子様、お孫様に直接伝え、一緒に向き合うことが大切です。
でも、お子さんがまだ小さくて理解できないなど、うまく伝えられない場合もありますよね。直接伝えることが最もおすすめですが、母子健康手帳に書くとしたら、既往歴について記載するページに書いてみても良いかもしれませんね。

Q3 がんになってから気をつけることはありますか?

再発転移しない為に食事も含めて気をつけること教えてください。

【瞳先生の回答】
お酒を飲みすぎないこと、定期的な運動で身体活動を高く保つことが大切です。
また、気になる症状があるときは我慢せずに主治医に相談しましょう。周囲には様々な情報が溢れていますが、不確実なものもありますので、かかりつけの医療機関に直接確認しましょうね。

Q4 どうすればいい?ホルモン療法の副作用対策

タモキシフェンを飲んで、副作用が酷い人が沢山います。長く飲む薬なのに、辛くて苦しい。対策方法が知りたいです。

【瞳先生の回答】
タモキシフェンの副作用の多くは更年期障害といわれます。様々な症状があり頻度や重症度は人それぞれですが、鎮痛剤を併用することもあれば、タモキシフェンの副作用に効果があるとされる漢方薬を使用することもあります。
まずは、主治医に相談して症状や体質に合った対症薬を探しましょう。また、副作用が強く、飲み続けるのが難しい場合は他のお薬への変更も可能です。長い期間飲み続けることが必要な薬剤なので、がまんせずに早めに主治医と相談してみてください。

Q5 どこかが痛むと不安を感じてしまいます。

転移した場合(骨転移や脳転移など)自覚症状はあるのでしょうか?頭痛や肩凝りが酷く背骨が痛い時など不安に感じてしまいます。

【瞳先生の回答】
少しどこかが痛むと、不安になりますよね。自覚症状がある場合、骨転移では疼痛、脳転移では、めまいや頭痛などで気付くことがあります。転移による症状は単発ではなく、継続的に生じることがほとんどです。あまりに気になる場合は、かかりつけの医師に相談し、検査の必要性や検査内容について検討しましょう。

瞳先生、どうもありがとうございました。

回答:鈴木瞳先生(一宮西病院・乳腺・内分泌外科副部長 ピアリング顧問) 編集:ピアリング編集部


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