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【インタビュー】夢が叶うかどうかは自分次第〜昨年度「ピアリング特別賞」受賞 かえるさん〜

「がんを経験した女性を支えるがん保険」を提供するMICIN(マイシン)少額短期保険とPeer Ringのコラボレーションのクリスマスプレゼントキャンペーン『今年はこんなクリスマスプレゼントが欲しい』を2022年も実施します。

昨年度「ピアリング特別賞」を受賞したかえるさんに、当時の気持ちやクリスマスのエピソードなどを語っていただきました。インタビューを通して、昨年のキャンペーンの雰囲気を知っていただくとともに、治療に向き合っている方の励みになればと思います。

●かえるさん プロフィール

子宮頸がん治療後、腸炎→腸閉塞という「腸の労働ボイコット」を経験。
生きるか死ぬかの術前宣告まで受け、24時間の点滴生活を8カ月。がん治療より辛かったという闘いの末、完璧ではないけれど、なんとか口から食事が出来るまでミラクル復活!ピアリングのマスコット的キャラクター「サバ子ちゃん」の生みの親でもある。

昨年度「ピアリング特別賞」受賞のかえるさんの作品はこちら

「私が欲しいものはズバリ「軽トラ」です。子宮頸がんの手術の直前まで植木屋としてバリバリ働いていました。すぐに元の生活に戻れると思っていたら大間違い。合併症で腸閉塞になり、仕事はもとより点滴でしか食事ができない体にまでなり、20キロ痩せ、このまま寝たきりになるのかと覚悟しました。ところがみるみる回復し、今はほぼ元の生活に戻れたのです。私の食い意地の強さか?キセキとしか思えません。これほどまでのギフトがあるでしょうか。だからクリスマスプレゼントは遠慮すべきなのかもしれませんが、強欲な私はやっぱり軽トラが欲しいのです。それは罹患前に目論んでいた一人親方として独立する夢。実際は体力的にぼんやりとした夢になってしまっていますが、もしも軽トラがあったら頑張れちゃう気がしています。」

応募フォームはこちら

—最初に、昨年応募した時の気持ちや、当時の状況を教えてください。

体調的には、PICC(上腕挿入の栄養点滴カテーテル)が抜けて、少し落ち着いた頃でした。がんになる前は、植木屋としてバリバリ仕事をしていたのですが、腸閉塞の合併症で、体力がなくなりできなくなってしまったんですよね。

でも、だいぶ回復してきたし、もしかしたらまた植木の仕事ができるようになるかも、と思うようになりました。だけど、仕事で使う車もないし、車を買ったところで、また前のように治療生活に戻ったらそれが無駄になるし…、と悶々としていたんですね。そんな時、このキャンペーンがあったので応募しました。軽トラなんてそんな高いもの、どうせ貰えないだろうな、でも参加賞もあるみたいだし…と(笑)。

そして「軽トラを欲しがっている人」とピアリングの中で認識されれば、「うちにいらない軽トラあるよ」なんて、声をかけてくれる人も出てくるかも。なんて、そんな思いもありました(笑)。

治療中のダイアリーより

—受賞の知らせを聞いた時は、どんな気持ちでしたか?

なんだかウケましたね(笑) 「軽トラ」なんてふざけたこと書いたのに、賞をもらっちゃっていいの?!と。旦那もウケてました。
欲しいものがアクセサリーでも洋服でもなく、軽トラ。他の受賞作品はみんなちゃんとしてるというか、心温まるエピソードだったので。
でも、そのことで自分のアイデンティティというか、価値観がはっきりしました。要は、植木屋としての自分、やっぱり私は植木屋がやりたい!と再確認できました。

クリスマスなんて…と思っていたけ

欲しいものを考えることで、行動のモチベーションが上がりました! 正直それまでは「世間はクリスマスなんて言って浮かれちゃって」みたいに、ちょっとひねくれてて。それに、コロナ禍だったので遊びに行けないし、うちには子どももいないから旦那と2人だけだし、キラキラした行事はうちには関係ない、と思っていました。でも、応募してみるならタダだしな…と。いざ欲しいものをアレコレ考えると、だんだん楽しくなって来ましたね。

—その年はどんなふうにクリスマスを過ごされたんですか?

旦那にプレゼントをあげましたよ。見た目に無頓着なタイプで、百均で買った歪んだ老眼鏡をずっとかけていて(笑) さすがに見かねて、メガネ屋さんに連れて行って、そこで老眼鏡をプレゼントしました。「高いメガネだとしっかり見えるね!老眼鏡っていいね。」なんて初めてちゃんとしたメガネのよさに気がついたみたいでした(笑)

—メガネとは実用的でいいですね〜。かえるさんは何かもらいました?

私が軽トラを欲しがっているのを知っていたので、昔のドラマみたいに「これ」なんて、車のキーをチャラっと渡してくれたりしないかな、なんてちょっと期待しました。でも、なかったです(笑)

過去には戻れないけど…。やっぱり植木屋さんが好き!

—ダイアリーにも書かれていましたが、その後、自分で軽トラを購入されたんですよね。

そうなんです!やっぱり欲しい、と思って、ついに自分で買ってしまいました!旦那が買ってくれなかったので。でも、車両保険を払ってくれましたよ!(笑)

かえるさんの愛車である軽トラ

軽トラ買ったことを、ピアリングのダイアリーに投稿するとコメント欄に「うちも(庭の手入れを)お願いしたい」なんて書き込んでくれる人が出てきたんです。そのことで、仕事へのモチベーションが俄然上がりました!ありがたいことに、少しずつ仕事ができるようになり、依頼も増えてきました。

—そうなんですね。これからバリバリできそうですか?

植木の仕事は、外での立ち作業なので、お腹の調子に悩まされたり、手術の後遺症で高いところに登れないことも多く、前ほどバリバリできない。でも、できなくなったことを嘆いていても仕方ないので、できる範囲で少しずつやっています。できることを楽しくやれればいいかな。

現状を嘆いていても何も始まらないから

がんになった時は「なんで私ばっかり…」なんて、落ち込んでいたけど、ピアリングに書き込むようになって、いろんな人ががんと向き合いながら楽しく過ごしているのを見ているうちに、素敵だなって思ったんです。そして、そんな明るい先輩たちに励まされるうちに、落ち込むこともなくなっていきました。

自分の力ではどうにもならないことをずっと悩んでいたり、「あれもできない、これもできない」なんて言ったりしていても、そこからは何も始まらないし、時間ももったいないしね。

—今応募を迷っている方に、かけてあげたい言葉はありますか?

今、辛い状況で「欲しいものなんて何も考えられない」という方もいるかもしれません。辛いと悪い事ばかり考えてしまいますよね。でも、とりあえず、なんでもいいから欲しいものをパッと思い浮かべてみなよ、楽しくなるから(笑) 「考えるな、感じろ」というか、とにかく楽しい妄想は大切! そうしたら見えてくるものがあるかもしれない。私の場合は、それが心の整理にも繋がり、自分で軽トラを買うきっかけにもなりました。

応募フォームはこちら

夢が叶うかどうかは自分次第

「どうせクリスマスなんて」と思っているより「今は無理だけど、来年は絶対楽しいクリスマスを過ごすぞ!」と思った方が、気持ちも明るくなりますよね。自分もドン底を経験したからこそ、希望を持つ大切さを実感しました。絶望からは何も生まれないですしね。

軽トラが欲しいと書いてから1年。夢が叶うかどうかは、自分次第なんだな、と思いました。

お仕事中のかえるさん。とってもカッコイイ〜!!

—では最後にこれを読んでいる方に、何かメッセージがあればどうぞ。

来年はぼちぼち植木屋の仕事を増やしていきたいと思っています。

出張範囲は横浜市内限定ですが、お庭のことでお困りの方はご相談ください!お仕事、お待ちしていま~す!ってやっぱり私は植木の仕事が大好きですね(笑)

—かえるさん、今日は素敵なお話をどうもありがとうございました!

インタビュー:ピアリング編集部 ゆう

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