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【開催レポート】 第31回ピアリング笑顔塾「乳房再建大オフ会2023」

11月19日(日)、第31回ピアリング笑顔塾「乳房再建大オフ会2023」を開催しました。

乳房再建オフ会は2021年1月から月に一回、「不安や悩み、迷い、聞いてよ!これから再建の方」「乳房再建経験者に聞こう!再建あるある話」「色々な再建方法について知ろう!」の三本柱で開催してきましたが、本来、35回目となる乳房再建オフ会は「ピアリング笑顔塾」として大々的に開催しました。

2021年11月に続き、2回目の乳房再建大オフ会(以下「大オフ会」を記します)です。
前回同様、「インプラント、自家組織、脂肪注入再建経験者から直に話を聞く」「医療者とは異なる目線での、よりリアルな乳房再建についての情報を得る」ことを目標にしました。

1)インプラント再建

経験者:なまけものさん(アラガン:両側、放射線治療あり)、kaoriさん(シエントラ:ダイレクトインプラント)、みっふぃさん(アラガン:修正で脂肪注入)

インプラント再建の回では、まず、なまけものさんよりインプラントの種類(アラガン、シエントラ、モディバ)についての説明がありました。なまけものさんの主治医のご厚意により実際のインプラントのお写真や動画も提供していただき、三社それぞれの特徴なども学ぶことができました。
その後、経験者さんのお話を伺いました。一次二期再建、一次一期再建など、同じインプラント再建でも様々な違いがあることを知ることができたのではないでしょうか。

事前質問ではインプラントで再建した乳房の感触や人工物を挿入することによる違和感、術後の生活などが寄せられました。その後は、参加者さんから直接経験者さんへの質問タイムを設けました。

2)自家組織再建

経験者:ちゃまおさん(広背筋皮弁+脂肪注入)、ぴっさん(腹部穿通枝皮弁・二次一期)、manakaoさん(腹部穿通枝皮弁・一次二期)、もじゃさん(大腿部穿通枝皮弁)

自家組織再建の回はまず、自家組織のドナーの種類の説明をうりがおこないました。
背中、お腹、太もも、そしてお尻がドナーとなる部位になります。ドナー部分にどのようにメスが入るのか(どのように傷が残るのか)は自家組織再建ならではの注目すべきポイントではないでしょうか。
経験者さんのお話から、ドナー部分による相違点や病院による違いなども学ぶことができました。
事前質問を中心に行われた質疑応答では、術後の痛みや傷痕、日常生活に戻るまでの期間などに加え、修正手術についても気になった方が多かったようです。
経験者さんにより詳しくお話が聞けるよう、ブレイクアウトルームをドナー別に分けて交流の場を作り、お話を聞きました。

3)脂肪注入再建

経験者:まりまりさん(純脂肪注入)、サザエさん(培養脂肪幹細胞付加脂肪注入→コンデンスリッチファット)、くぅちゃんさん(自家培養脂肪移植)、みーちゃんさん(培養脂肪幹細胞付加脂肪注入)

脂肪注入の回では経験者さんが注入している脂肪の種類について学びました。
脂肪注入は現時点では自費診療になります。経験者さんのお話からは「脂肪注入は小さな傷で柔らかい乳房ができるが決して夢のような再建方法ではない」ということを知ることができたのではないでしょうか。
なぜ、その術式を選んだのか、術後の様子や再建の満足度などについても質疑応答がおこなわれました。

どの回も最後は経験者さんからこれから再建をされる方へメッセージをいただき、大オフ会は終了しました。

乳房再建に寄せる思い―知っているけど選ばない、知らないで選べない―

私たちは乳がんに罹患し、お胸を失いました。けれど、再建することでお胸の膨らみを取り戻すことができることを知りました。もちろん再建しないという選択肢もあります。
乳房再建をする、しないを決めるのは「私」です。乳房再建において後悔しないためには、「どれだけ情報を集めることができるか」が重要になってくると思います。「知っているけど選ばない」「知らないで選べなかった」は大きく違うのです。

経験者さんたちのお話が再建の道を歩く皆さんの道しるべとなりましたら幸いです。
再建に関しては主治医の先生としっかり相談し、ご自身にとって最適な方法を選んでいただきたいと思っております。
皆さんのお胸が再び膨らみを、そして、輝きを取り戻せますように。そう願っております。

*乳房再建大オフ会で経験者の皆さんがお話くださった内容に関しては個人情報になりますので、その内容をご報告することはできません。ご了承くださいませ。

ピアリングレポーター:うり

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