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乳房再建を考える人のための「E-BeC特別セミナー」参加レポート

乳房再建について豊富な情報が得られるセミナー
6月4日、東京・銀座で第3回 E-BeC特別セミナーが開かれました。 セミナーを主催するNPO法人E-BeC(エンパワリングブレストキャンサー)は、「乳房再建手術」への正しい理解の普及と患者さんのQOLを目指して活動している団体です。 前回のE-BeC 特別セミナーが東京で開催された時、Peer Ring 編集部の筆者はちょうど、乳がんの全摘手術直後で、乳房再建の方法に迷っている時でした。 自家組織での再建を希望していましたが、このセミナーで、人工物での再建でも納得できそうだ、ということがわかり、その後、シリコンインプラントによる再建術をうけました。
 実際の再建乳房を体感できる貴重な機会
E-BeCのセミナーが実践的なのは、乳房再建手術を終えた、先輩乳がんサバイバーの方々の胸を、実際に見て触れて、イメージをつかんだり感触を確かめたりすることができる「体感会」がある点です。 再建のご経験や現在の満足感について、直接、お話をうかがうこともできます。 このような貴重な機会、なかなかありませんよね! 乳がんという試練に、あとからのぞむ者に、手を差し伸べてくださるサバイバーの先輩方に頭が下がる思いです。
日々進化する乳房再建
さて、今回のセミナーでは、横浜市立大学の佐武利彦先生、木沢記念病院の高木美香子先生が講師として登壇。 基本から最新の乳房再建事情までお話がありました。 自家組織による乳房再建の第一人者・佐武先生からは、 穿通枝皮弁法(せんつうしひべんほう)(お腹やお尻などの脂肪組織を皮膚と血管ごと移植する)に加えて、近年、脂肪移植の技術も進歩し症例も増えてきている状況をお話いただきました。 脂肪注入は、乳頭や皮膚が残っている方に適応が良く、傷跡もほとんど目立たないという利点があるそう。 デメリットは、まだ保険適用が認められていないため、自費扱いとなってしまう点。 保険適用となれば、シリコンインプラントと同様、脂肪注入もっと普及するかもしれませんね。 そして、高木先生には、全摘時や再建時の自分の姿をシュミレーションできる3D画像撮影装置「BECTRA(ベクトラ)」をご紹介いただきました。(※ベクトラはインプラントシュミレーションのみ) 女性にとって、乳がんで乳房を切除する手術を受けることは、とてもつらいことです。 自分の身体のボディイメージが今後どうなってしまうのか、不安に感じる方も多いと思います。 でも、事前にシュミレーションができれば、心の準備もできて、再建方法の選択に前向きに向かうことができそうですね。 1年ぶりに、E-BeCセミナーに参加して感じたことは、 「乳房再建の方法は、日々進化し多様化している」ということです。 乳がんになって、悲しい乳房切除を経験しても、きれいな胸を取り戻す方法はあります。 「乳房再建術」に対する正しい理解を身に付けて、自分にあった再建方法を選びたいですね! 乳房再建に関する情報はこちら E-BeCでは、このような乳房再建に関する最新情報に、地方都市在住の患者さんも触れることができるよう、「乳房再建全国キャラバン」を展開しているそうです。本当に素晴らしい活動だと感じました。 〇 NPO法人エンパワリング ブレストキャンサー(E-BeC)ホームページ 〇 メディカルノート (自家組織再建に関する佐武利彦先生の連載記事が読めます) 〇 Life can be beautiful (高木美香子先生のブログ。乳房再建に関する情報が掲載されています) ピアリング編集部:N.K
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