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乳房再建、「CAL」という選択肢 vol.2~乳房温存後の乳房再建~【PR】

前回、乳房再建、「CAL」という選択肢 vol.1 では、「CAL」がどのような再建方法なのか、そのメリットとデメリットを辻直子医師の著作よりご紹介しました。

今回は、『乳房温存』後に、へこみなど気になる部分を直したい、という方に向けて、CALでどのような治療を行えるのかについて、同じく辻医師の著作から、抜粋してご紹介します。

乳房温存後の乳房再建

乳房温存術後の再建は、 欠損の位置や程度が人それぞれなため、 形や量の調節が可能な皮弁移植( 主に広背筋皮弁 )で行われるのが主流でした。 この方法であれば1 回で確実にボリュームアップできるという利点はありますが、 やはり皮弁の採取部にきずあとができますし、 小さい皮弁でも最低1 週間は入院が必要になってきます。

C A L は乳房温存術後の陥凹に幹細胞を加えた脂肪を注入することで、 変形を改善できます。 脂肪を入れて膨らませるのは比較的イメージし やすいですね。 温存術後の再建にもC A L は他にはない優れた点があります。 それは、 次の2 つです。


①傷が増えず、低侵襲な再建が可能

これまでにも述べてきたように、 C A L はほとんど切開を行わずに、つまり新し い傷を増やさずに再建が可能です。 乳房温存術後の場合は特に注入する脂肪の量も多くはないですから、 ほとんどの場合で日帰り手術が可能です。 ほんの少しのへこみが気になるから治したい、 でもそのために1 週間以上も入院して大きな傷を作るのは抵抗がある、という方にも再建への一歩が踏み出し やすいのではないでしょうか。

②放射線照射後の組織を改善する効果

乳房温存術は通常、 手術後の放射線照射治療がセットになっていますので、 たいていの場合、 乳房の傷とその周りは固く萎縮した状態になっています。 皮閲の色も、 茶色に変色してしまっていることもあります。 この変化は放射線の影響で起こり、 長い間残るものですが、 C A L ではそこに脂肪と幹細胞を補充することでこれらの変化からの回復を促す効果が期待できます。 固かった部分が柔らかくなったり、 皮膚の色が改善したりする方も多くいらっしゃいます。

この効果は他の再建方法では得られないので、 乳房温存術後こそC A L での乳房再建が適しているといえます。


乳房温存術後で変形の程度が強い場合や傷跡が非常に固い、 癒着が強い場合などは、一度のC A L では完全に変形が修正できないことがあります。 それでも1 回目のC A Lで生着した脂肪とその幹細胞の効果で注入部分の状態は改善していますので、一定の時間をあけてC A L を行うと、 より健側の乳房に近づけることができます 。変形の中でも引きつれが強い場合は同時に搬痕修正などを組み合わせた治療も可能です 。

乳房温存術後のC A L を行う時期については、 放射線治療後、 組織が落ち着いた状態になってからが効果を最大限に発揮できます。 最低1 年は待ってから治療を開始し 、2回目を行う場合は、 やはり組織の状態を見て半年から1 年はあけて次の治療を行うようにします。

もちろん自分の脂肪ですから、 なだらかで自然な手触りの乳房再建が可能です 。

【出典書籍情報】
タイトル:もっと願いをかなえる乳房再建
著者:辻 直子
出版社:現代書林
価格:1,200円(消費税別)

 

 

 

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