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乳房再建、「CAL」という選択肢 vol.1【PR】

乳房再建用のインプラント自主回収問題で、再建についての情報を求めている方も多いと思います。

そこで今回、乳房再建、特に「CAL」を用いた脂肪注入法について詳しく書かれた辻直子医師の著書が

「もっと願いをかなえる乳房再建」

さて、CALとはどのような再建方法なのでしょうか。その著書より、内容をご紹介します。

「 幹細胞 」を豊富にすることで生着率は格段にアップ

C A L では、 自分の皮下脂肪に存在する「 脂肪幹細胞 」を利用します。 この「 幹細 胞 」は大きく分けて次の2 つの働きをします。
ひとつは、 新しく脂肪細胞をつくり出す働きです。 脂肪細胞は2 ~3 年の寿命だとい われています。しかし、「 幹細胞 」を含んでいると、 脂肪細胞が寿命を迎えても新し い 脂肪細胞が次々生まれ変わります。 その結果、 脂肪は減ることがなく、 一定量を維持で きるというわけです。
「 幹細胞 」のもうひとつの働きは、 新しい血管をつくることです。 血管は細胞組織に酸 素と栄養を運ぶ役目を担っています。 もともと脂肪組織には、 血管がそれほど多くはな く、 冷えて血流も悪くなりがちです。 そのため、 従来の方法で吸引脂肪を注入しても生 着率が悪かったのです。
ところが、「 幹細胞 」を追加した脂肪を注入すると、 新し い血管が次々につくり出さ れます。 すると栄養や酸素が十分に行き渡ることになり、 脂肪が生きたまま生着し やす くなると考えられています。 実際に、 従来の脂肪注入法では15~30%だった生着率が、「 幹細胞 」を追加した脂肪を注入する方法では50~80%まで高くなりました。

 

「 幹細胞 」を抽出する独自の方法


吸引脂肪は、 脂肪成分と液体成分があり、 そのどちらにも「 幹細胞 」が含まれています。 そこで、 吸引した脂肪を遠心分離器にかけて脂肪成分と液体成分に分け、それぞれの成分から「 幹細胞 」を抽出します。 こうして得られた豊富な「 幹細胞 」を脂肪に混ぜ 、「 幹細胞 」の密度の高い移植注入用の脂肪をつくり、 それを体に移植するわけです 。

「 幹細胞 」を抽出する一連の作業は、 特別に訓練された技術者により 、衛生的に管理さ れた細胞調整室の中で、 丁寧な手作業によって行われています 。

そして「、幹細胞 」の抽出技術を含むC A L は、 ごく限られた施設で受けることができ 、その主要な技術は日本で特許が成立しています。 さらにC A L は、 厚生労働省の定める「 高度美容外科医療 」に日本で唯一、 該当した医療です 。


C A L 組織増大術の特徴

さて このように従来の脂肪注入を超える生羞率を誇るC A L ですが、 このことにより乳房再建にも充分有効な方法となりました。 これまでに説明してきたように 、今まで は乳房再建といえば皮弁法か乳房インプラント法しかなく、どちらかから選ぶしかありませんでした。 その場合、 次のような問題や不安が生じ てきます。


「 皮弁法でできる柔らかい乳房は魅力的だけれど、 乳房の他の部分に大きな傷ができて しまうのが嫌」
「 皮弁法では長期入院となるが、 仕事が長期に休めないので無理」
「 乳房インプラントは簡単にできるけれど人工物を体に入れるのが不安 」
「 乳房インプラントで再建し て、 固さや形の左右差ができた場合にもう少しきれいにしたい ...... 」
など 、それぞれに問題点がありました。
C A L を使った乳房再建では、 これらの不尚を解消することができます 。自身の脂肪 組織を使い 、柔らかく自然な乳房再建を低侵襲に行うことができるのです 。
では、 C A L の特徴をひとつずつ見ていきましょう 。

①低侵襲である

C A L の基本は脂肪吸引と脂肪注入です。 脂肪吸引は美容外科などの痩身目的と同じ 手技で行いますので、 直径3 ミリほどの細い管をお腹や太ももなどに差し入れて脂肪を吸引してきます。 その管は組織や血管を傷つけないように先端がまるくなっていて 、血管を収縮させる薬液を注入してからの吸引となりますので、 出血量が非常に少なくすみ ます。

また切開や剥離など の手術操作もほとんどないので、 同じ自家組織移植である皮弁手 術に比べると非常に低侵襲な手術で行えるのが特徴です。 そのため短期間の入院ですみ 、C A L 単独の治療なら日帰り手術、 乳房インプラントやエキスパンダーを併用する場合でも1 泊の入院で治療が可能です。 仕事への復帰も、 格段に早くなります。

②傷が小さい
C A L では新し い傷がほとんど増えません。 脂肪吸引はすでに述べたように直径3 ミリの管を差し込む分だけ、 数ミリほど目立たないところを切開します。 そして幹細胞を加えた脂肪は針で乳房に注入して行きますので、 ほとんどあとは残りません。 エキスパ ンダーや乳房インプラントを併用する場合は、 その出し 入れに乳房切除の時の傷あとを 切開しますので、 新しく傷あとが増えることはありません。

③なだらかで柔らかい
C A L で注入する脂肪は、 流動性のある脂肪組織です。 乳房インプラントを大きなグミ、 皮弁をすじこにたとえると、 脂肪はすじこがばらばらになったイクラのような状態で、 実際にはもっと粒が細かいので、 とろろのように粘度のある液体に近いです。 これを乳房の組織に細かく、 まんべんなく注入し ていきますので、 希望するところに量を調節しながら入れることができます。
脂肪自体も柔らかい組織なので、 全体がなだらかにふっくらとボリュームアップする のがC A L の特徴です。 皮弁やインプラントだと塊を挿入することになりますので、ど うしても乳房の周辺に段差ができてしまったり、 デコルテなどをほんの少し ふっくらさ せたいといった微妙な調節は難し いのです。

④放射線治療後も可能で、組織の状態を改善
乳がんの治療では、 切除術式や進行状況によって術後に放射線照射を行います。 そう すると残った乳房の組織は放射線照射のダメージを受けて、 固く萎縮した状態になって います。 見た目ではわからなくても、 そのダメージは長く残りますので いざ再建を行うという時に皮膚の伸びが悪い、 拘縮が起 こり変形が残ってしまう、 傷の治りが悪く 合併症が起こりやすいなどのトラブルにつ ながることがあります。 そのため、 放射線 治療をされた方の中には、 乳房再建を断ら れたりすることもあるようです。


放射線があたった組織は、 線維が増えて 細胞は萎縮し、 幹細胞も減ってしまった、 いわば「 やせた土地 」です。 C A L では放 射線照射後の組織に「 肥料 」のように脂肪 と幹細胞を補充することで、 組織の状態を 改善します。
当院でC A L 乳房再建の治療を行った患者さんの中には、 固くなった部分が柔らかくなった、 皮膚が変色していたのがきれいな色に戻ったなど のうれし い効果があった方も多くいらっしゃいます。 この効果は 、 かの再建方法にはないC A L の特別な効果といえます。

以上のように、 C A L にはほかの方法にはない特徴がいくつもあります。 この特徴を 生かして、 より美しい乳房の再建を目指すわけですが、 その前にC A L の問題点につい てもわかっておかなくてはいけません。


C A L 乳房再建の問題点 一度にたくさんは注入できない

脂肪注入の際、 注入された脂肪はとても弱く、 最初は周りの組織から酸素や栄養をも らって生きていきます。 ですから、 周りの組織が十分にない場合やたくさん脂肪を注入 し てぎゅうぎゅうの状態( 圧が高い )になると、 一定以上の脂肪は生きていくことがで きません。 このような理由で、 一度に乳房に注入できる脂肪の量には上限があります。
特に乳房切除後などは残っている組織量も少ないので、 1 回のC A L 治療ですべての乳 房が脂肪で再建できる、 というわけにはいかないのです。

(続く)

※医学博士 辻直子著『もっと願いをかなえる乳房再建~自分の幹細胞を用いたCALで実現する柔らかく自然な乳房~』

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