第1回目に続いて、今回も参加者のみなさんの笑顔あふれるイベントに!
その様子をレポートします。
今回は国立がん研究センター中央病院アピアランス支援センター臨床心理士の藤間勝子先生によるアピアランスケアについてのお話。
そしてパーソナルスタイリストの菊原亜紀江先生のトークとおしゃれクショップとの2本立てです!
アピアランスケアという言葉を聞いたことある方も多いと思います。英語で「外見」「見た目」のことですね。
ですが、がんを罹患しての「アピアランスケアとは何か?」について、あらたまって学ぶ機会は少ないかもしれません。 がんの治療によって外見が変化すると、自分の姿が、自分のイメージと変わってしまう。
「これまでの私ではなくなってしまう」 そんな不安を抱く方も多いでしょう。
では、アピアランスケアって、お化粧やウィッグで、元通りの自分に戻ること?? いえいえ、どうもそうではないようです。
藤間先生は
「治療により見た目が変化してしまっても、気にならなければそのままで過ごしても何ら問題はありません。
ただ、変わってしまったたことで周りの人からどう思われるか、自分のイメージが変わってしまうのが不安、などと思うなら、ウィッグやメイクでカバーすることで、気持ちが上向きになるかもしれません。」
「大切なのは、治療前と同じように見た目を維持することよりも、自分らしさを実感すること。逆に普段お化粧しなかったのに、治療が始まった途端、急に何かケアしなきゃいけないとプレッシャーになってはいけません」
とおっしゃっていました。
「誰でも、休職してる間には髪型が変わるし、年齢、流行などに合わせ、髪型や化粧、服装などを変えることもあります。外見は、いつも同じではないですよね。だから、以前とまったく同じに戻れなくてもよいのです。
ウィッグも分け目や手触りなど気にする方もいますが、実は、人の髪の毛の分け目など見ていないし、ここ1年以内に美容師さんや家族以外に髪を触られた方はいないと思います。もしいたらチカンですよね(笑)」
・・・確かにそうですね!
(私のウィッグ、他人から見たら、おかしいのじゃないかしら?) そう考えたら、気になって外出が憂鬱で仕方ない。
そんな抗がん剤中の話もよく聞きますが、先生のこんな軽妙なトークで、思わず笑い声も飛び出しました。
そしてこんなエピソードもご紹介してくださいました。
・・・
1つの病棟に3 ヵ月近く入院し外出もできない50代の男性患者さん。
友だちからメールも来るし、ラインも来るのですが、自分から発信できる話題が何もなくなってしまったそう。
その男性が、なんと試しに可愛らしいネイルにトライ!
先生が気分転換で「塗る?」と声をかけると「やる、やる」と言い出して、ネイルした写真をお友だちに送ったら大ウケだったとか。
退院された後もアピアランス支援センターに来て、ネイルシールを指に貼って帰ったそうです。
普段生活している中で、なかなかできないことを試すことで、気持ちが明るく上向きになったようです。
最近は、「アピアランスケア」という言葉が広まりウィッグやお化粧品をはじめ、がん患者さん向けに良いといわれる様々な商品であふれるようになりましたが、金額の高いものや、特別にこだわったものでなければならない、というエビデンスはありません。
自分自身が納得して、楽しく安心して使えるものであればよい、ということがわかり、肩の力を抜くことができるお話でした。
・・・
「アピアランスケアは女性だけのものではないとのお話はとてもためになりました」 (参加者のまなちーさんのダイアリーより)
そして、皆さんが楽しみにしていた二つ目のプログラムは、
亜紀江先生は、2度の乳がんを経験し、絶望の中で「装い」の持つ大きな力に気づいたそうです。そこで、本業のかたわら、病気で気持ちが沈んでいる方を「装い」でエンパワメントする活動にも力を注いでいます。
亜紀江先生の力強いプレゼンを聴き、そのストーリーを、自らと重ね合わせて大きくうなずく参加者の方々が印象的でした。 さて、ワークショップでは、華やかな雰囲気のあき先生が持ってきた、大きなスーツケースを開くとたくさんのスカーフ、ストール、ハットが次々に登場!
何が始まるんだろう!と、みなさんワクワクした表情で、目が輝きだしました。 まずは、大き目のスカーフの折り方、そして、巻き方などからレクチャー。なんとなく使うタイミングがなかったスカーフもあき先生の手にかかれば、おしゃれに大変身!
みんなの変身ぶりに「ステキ~!」「すっごくオシャレ!」などの声も上がり、テンションもUP! 帽子やベルトなどの小物使い、アレンジをレクチャーしていただき、これなら私にもできそうとみなさんウキウキな様子でしたよ。
「あき先生のスカーフやストールの使い方講座は、結び目の位置でお洒落上級者に見える事や、シンプルなニットワンピースが大判ストールで違う着こなしができるなど、目から鱗でした?
あき先生はとても綺麗な方でスタイル抜群?近寄り難い感じかなぁ…と最初はドキドキしました?でも、実際は凄くフレンドリー?何よりあき先生自身がサバイバーだと言う事で、親近感が湧きました?二次会でもご一緒させていただき、ピアの皆さんやあき先生と色々なお話しが出来て本当に楽しい時間でした?
例の私の悪趣味なスカーフは裏で使うと良いかもとのあき先生アドバイスでい〜感じに?」 (以上まなちーままさんのダイアリーより)
治療中や術後、なんとなくおしゃれから遠ざかっていた方もいらっしゃったと思いますが、先生から素敵に変身のアドバイスをしていただき、みなさん、とっても笑顔になっていました。
小物使いでおしゃれになれる、魔法のような素敵な時間をありがとうございました。