2025年10月16日(木)~18日(土)、パシフィコ横浜にて「第63回日本癌治療学会学術集会」が開催されました。昨年の福岡開催に続き、一般社団法人ピアリングのメンバーは、患者と医療をつなぐリーダー育成を目的とした「PAL(Patient Advocate Leadership)プログラム(患者・家族支援プログラム)」に参加しました。
今回の学会テーマは、『がんと生きる、がんを生きる』。まさに私たちがんサバイバーへ向けたメッセージ性のあるテーマです。
そして、今回の学会のマスコット「くじら」は、「海の彼方ら福をもたらす存在」という象徴でもあり、「患者とそのご家族に笑顔を運ぶ」 という思いが込められています。

今回、一般社団法人ピアリングからは、以下の2演題をPALポスター発表としてエントリーし活動報告として発信しました。
2024年11月にピアリングおよびピアリング・ブルー会員を対象にアンケート調査を実施し、7日間で866名から回答を得た調査をPALポスターで発表しました。通院や待ち時間、副作用による日常生活への影響など、がん治療に伴う「時間的損失」を具体的な数値で示すとともに、アンケート回答で得た患者の声を紹介しました。

2025年2月にピアリングおよびピアリング・ブルー会員を対象にアンケート調査を実施し、3日間で762名から回答を得た調査です。PPI(Patient and Public Involvement=患者・市民参画)に関する認知度の低さと参加意欲の高さのギャップ、周知における課題について患者および医療従事者の皆様へ共有しました。

PALポスター発表内容について、他団体や医療関係者から関心を寄せられ、質問等をいただき、新たな交流の機会にもつながりました。
また、昨年に続き、ピアリング会員の山本小百合さん(ホタテさん)もPALポスター発表に参加され、ご自身の活動である「臨床美術」について紹介されました。地方在住の会員さんと直接お会いして、お話しできる貴重な機会となり、大変嬉しく感じました。

今回の学会参加を通じて、PALプログラムおよび本学術集会から、がん治療における最新の動向や学びを得ることができました。特に、PALプログラムでは、他の患者団体や医療従事者との交流を通じて、多くの刺激とパワーをいただきました。今回得た知見を今後の更なる活動へ役立てたいと思います。

■一般社団法人ピアリング「第63回日本癌治療学会学術集会」PALポスター発表資料は、こちらからダウンロードできます。
『がん患者SNSコミュニティにおけるPPIの認知と参加意向の実態調査』
『がん治療に要する時間とその影響 ~がん患者が直面する時間毒性の実態調査~』
(文:一般社団法人ピアリング淀川知子)
