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ピアリングブルー開設1周年に寄せて

1周年に感謝を込めて 代表・佐々木香織(カロリーナ)よりご挨拶

2024年4月23日、大腸がん・消化器がん女性のための支え合いSNSコミュニティ「ピアリング・ブルー」は開設1周年を迎えました。立ち上げ時のクラウドファンディングにご協力くださった皆様、そして会員としてご参加くださっている仲間のおかげで、ここまで来ることができました。まずは、改めて感謝申し上げます。

ピアリング・ブルーの会員数は、この1年で700人を超え、現在も着実に仲間を増やし続けています。会員になると書き込める「ダイアリー」や「質問」欄には、毎日新しい投稿があり、文字と写真を通した温かい交流が繰り広げられています。

日本初の大腸がんコミュニティ、そして他の消化器がんへ

特に活発なやりとりがあるのは、大腸がんの後遺症である「術後の排便障害」と、「人工肛門」についての話題です。なぜなら大腸がんは、女性の部位別がん罹患数で乳がんに次ぐ第2位と非常に多いがん種であるにもかかわらず、これまで同じ経験をした患者仲間に出会う場がありませんでした。大腸がんの患者会は存在しなかったのです。「便漏れの辛さなんて、わかってもらえない」「誰にも話せない」と言ったデリケートな悩みを、ピアリング・ブルーの仲間は聞いてくれ、経験者が優しく受け止めてくれるのです。

大腸に比べて数はまだ少ないですが、胃がん、食道がん、膵臓がんなどの消化器がんの仲間も増えてきています。ちょっと先ゆく先輩が、がんになったばかりの方を優しく支え、治療に向かうモチベーションを高め合っています。

例えば「新しい抗がん剤治療が始まるので不安」「セカンドオピニオンについてどう考えたら良いか」「主治医に辛さをどう伝えたらいいか」と言った疑問。「治療の後のご褒美に美味しいものを食べました!」「がんサロンで仲間の顔を初めて見ることができました!」と言った嬉しい日々の出来事。生き生きとした写真と共に、それぞれの言葉で、今を生きている様子が綴られる投稿たちが投稿欄に並びます。

SNSコミュニティの効果とは

自分が今しんどくて伏せっていても、そうした仲間の様子を知るだけで「辛いのは自分だけじゃない」「元気になったら楽しいことが出来そう」と前向きになれる効果が、ピアリング・ブルーにはあるのです。また逆に、しんどすぎて今は投稿を見られない…と言った場合もありますが、そこはマイペースでOK。自分が書けるときに、できる範囲で投稿に参加すればいいのです。会員の皆さん一人一人状況が違いますから、参加の状況もさまざまで良いのです。

もちろん、コミュニティですから最低限のルールは定めています。特定の治療法を強く勧める、病気の重さを比較する、治療の選択について仲間にアドバイスを求める、などは禁止です。(治療については主治医の先生としっかり相談してくださいね)ルールから外れた言動が見られた場合は、会員同士で注意喚起していますが、事務局もパトロールや、必要に応じたサポートやご注意を行い「安心・安全」なコミュニティであるよう日々、努めています。

私自身の経験から実感したこと

実は私自身2023年度の後半に、直腸がんの局所再発が発覚。術前抗がん剤治療と切除手術を受け、想定外の合併症に悩まされることになりました。とても稀なケースなので、こんなこと投稿しても誰の役にも立たないし、かえって皆さんに心配をかけるだけ…と思いつつ、しばらくピアリング・ブルーを開くことなく入院生活を過ごしていました。でも誰かに聞いてもらいたい!との思いが募り、投稿で仲間に思いを打ち明けたら、たくさんの励ましや応援をいただきました。そのことに、どれだけ救われたことでしょう。治療と向き合う自分は一人だけど、決して一人じゃない。仲間の存在を強く感じられる場所、こここそが、ピアサポートを体現している「ピアリング・ブルー」なのだと実感しました。

イベント開催報告

さて、最後に、日々の投稿以外のさまざまなイベント、セミナー、オフ会の開催報告をいたします。ピアリング・ブルーとして開催した公式イベントには★を付けました。それ以外は、会員有志が企画運営したものです。2023年度は合計32回のイベントが開催され、多くの会員たちが直接仲間と顔を合わせたり、実際に出会える喜びを分かち合いました。

これからのピアリング・ブルー

2024年度も、この場を必要としている消化器がんの仲間たちへ一人でも多く「ピアリング・ブルー」を届けられるよう、広報活動に力を入れてまいります。また、会員同志のつながりを深め、皆さんの笑顔が増えるようなイベントなども継続的に開催していきます。そして医療者や企業などの方々と協働し、私たちがん経験者の声が社会に役立つものになるよう、積極的に届けていきたいと考えています。
今後も持続可能なコミュニティであるために、皆様からの応援、サポート、ご寄付など、引き続きどうぞよろしくお願いいたします。

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