こんにちは。ピアリング編集部のひまわりです。
急に涼しくなってきましたね。せっかくなのでお部屋の窓をすこし開け放って、ちょっと〝軽め〟の本で、読書とティータイムとしましょうか。今回のおススメ本はアメリカの心理学者、リチャード・カールソン著、『小さなことにくよくよしない88の方法』(三笠書房)です。
心がちょっと疲れた時に、気軽にこの本を開いてみてください。がん患者を対象とした本ではありませんが、術後の日常生活のちょっとしたもやもややイライラを解消する小さなヒントが満載です。
この本では、人間関係、家庭、仕事で「もうくよくよしない自分」をつくる88の簡単な方法が、筆者の具体例をもとにして提案されているところが、魅力的です。カエルや動物たちの挿絵もとてもキュートでほっこり和ませてもらえます。
人間というのは、ちょっとしたことで落ち込んで、「今」を上手に生きられなくなる弱いものです。カールソン氏は、そんな私たちに自分を変えるための簡単で気の利いた〝考え方〟を授けてくれます。
・「1時間だけ悩んで」あとは忘れる
・「いちばん意見を言われたくない人」のアドバイスこそ妙薬
・話はできるだけ〝短く〟
・嫌いな人は人間関係のコツを教えてくれる〝最高の教師〟
・相手にとって〝得をする〟話をする、などなど人生を生き抜く上で必要なスパイスの効いたヒントが詰まっています。
ほんのちょっとした気遣いや、思いやりやねぎらい、ほめ言葉で、人間の気持ちがどんなにガラッと変わるものか、この本を読んでいると痛感します。あとは、アドバイスをあなたが「いつ」「実行するか」にかかってくる、と著者は語ります。
カールソン氏は何ごとも、最初に思ったようにはものごとは進まない、と認識するのが重要なことだといいます。何かまずいことになりそうだと思っても、ピリピリしたり、パニックになったりする必要はないといいます。そして「先のことは分からない」とつぶやいてみるのも良いそうです。幸運が不運の仮面をかぶっている場合だってあるのですから。ほとんどの場合は〝なんとかなるものだ〟と語ります。
自分の精神状態が「ノーマル・モード」か「シリアス・モード(普通ではない状態)」か。それを見分けることができるだけで、問題には救いの道が開けてくるそうです。ストレスにさいなまれている時は、どんなに忙しいかを人に見せつけるかのように、せかせかと走り回ったり、ため息をついたりして、ますます自分の気持ちをダウンさせていくことになりがちです。
しかし、ほんの少しユーモアを持てば、状況はまったく違ってくる。今、自分は「シリアス・モード」に入っているな、と自覚することで、ほんのちょっと冷静になれます。周りを客観視することができるようになると、自分が思いこんでいたほど、状況はひどくない、と気づけるそうです。
私たちの身の周りにはいつも何らかの変化が起こっています。
体型は変化する。親は歳をとる。人間関係も変化する。経済も天候も変化する。近所では引っ越しがあるし、環境も変化する。変化は〝必ず〟起こるものなので、さまざまな形の変化を自然に受け入れられるようになると、私たちが得るものは大きいそうです。若さ、美しさ、権力、地位、成功……こうしたものに必要以上にしがみつくと、苦悩が待っています。しかし、変化の必要性を認めると、穏やかな気持ちになれるのだそうです。
挫折感、いら立ち、自己れんびんーーそんなもののために1秒でも無駄にはできない。
今日も目が覚めて、一日を与えられたことに感謝しよう。いつかは、それができなくなる時がくるのだから。その日まで、一日一日を、かけがえのないものと思って生きていこう。実際、かけがえのないものなのだから!とカールソン氏は励ましてくれます。この本の中に書かれていることの一つでも、二つでもいいから、実行に移せるといいですね。悩みが尽きないのが人生だけれど、〝人生なんとかなるもんだ〟というおおらかな勇気がわいてくる1冊でした。
文・ピアリング編集部 ひまわり