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ぴあれぽvol.32☆気分が落ち込んだ時、心が解放されたこの1冊

皆さん、こんにちは。ピアリング編集部のひまわりです。

雨続きで気分が少し落ち込んだな、と感じた時にぜひ手に取って欲しいおススメの本を1冊、ご紹介します。

私自身、今年1月末に乳がん告知を受け、温存手術か全摘手術かぎりぎりまで迷った末、4月半ばに右乳房全摘手術を受けました。
手術も終わり、退院して一息ついてから、落ち込みが襲ってきました。そんな時期に知人から教えてもらったのがこの1冊です。

がん患者やその家族のメンタルケアを専門とする精神腫瘍医の保坂隆先生が自宅で簡単にできる呼吸と瞑想法を紹介した『がん患者さんのためのマインドフルネス瞑想法』(法研)です。

皆さんはマインドフルネスという言葉をご存知ですか?

もともとは瞑想法に由来する仏教用語だそうです。意味としては「今だけに集中して過去も未来も考えないこと」で、その第一歩が「呼吸への集中」だそうです。

保坂先生によると、マインドフルネス瞑想は1960年代、インドの仏教瞑想が米国に伝わり、そこから仏教色を排除したのが、その起源です。
精神腫瘍科とは、がん患者さんの心をサポートするメンタルケア専門科のことです。
聖路加国際病院精神腫瘍科部長だった著者の保坂先生は、2017年、東京に「保坂サイコオンコロジー・クリニック」を開業。がん患者の運動療法、イメージ療法、グループ療法など様々な心の治療を行っています。

先生は高野山大学大学院での仏教や死生観に関する勉強や、アメリカのマインドフルネスの権威との出会いなどを通して、「心が落ち込まないように生活することで、からだの状態も良くすることができる」と思い至りました。

この本では「心を必要以上に落ち込ませない」ための手法を、豊富な写真を使って分かりやすく教えてくれます。
いつでも、どこでもできる簡単な方法ばかりなので、出先で「気持ちがへこんだなあ」という時にも有用です。
なかでも簡単なのが思いきり息を吐き切り、おなかの中まで空気を吸い込む腹式呼吸法です。もうこれ以上吸えないというところまで、鼻から息を吸い込むのがコツです。

私自身、不安に包まれ、イライラしていた気持ちから一気に心が解放され、スッキリする効果に驚きました。
また、瞑想法や、体を緊張させた後で一気に脱力する筋弛緩法などを、写真を使ってやさしく紹介しています。

「ああ、暗いことばっかり考えてしまう」と思った時は、無理に明るいことを考えようとするのではなく、別に集中できることを探せばよいそうです。乳がんを告知され、ひどく落ちこんでいた私はずいぶん救われました。

脳には嫌なことや苦しいことなどのマイナスの連鎖を際限なく考え続けてしまう「ネクラな性質」があるそうです。

半面、「ひとつのことに集中すると、他のことは忘れる」という「おバカな特質」もあるそうなので、マイナス思考が襲ってきたら、散歩や手芸など何か自分の好きな別のことに集中してみるのが効果的だそうです。先生の一番のおすすめは、お風呂場の掃除だそうです。私の場合はトイレ掃除。一心不乱に便器をシャコシャコ磨いている間に嫌なことは忘れて、トイレも心もスッキリ。おススメです。

乳がんの症状も、抱える生活も人それぞれ。それでも、人生最大の困難に直面して苦悩した体験は、皆さん同じなのではないでしょうか。この本は、そんな皆さんのちょっとした発想の転換のきっかけになるかもしれません。

文・ピアリング編集部 ひまわり

               
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