がんサバイバー女性が、日々の生活で工夫していることや、前向きに過ごすために心がけていること ~第2回新型コロナウィルス感染症(COVID-19)感染拡大によるがん患者さんへの影響緊急調査より~
ピアリングは昨年の12月、会員のみなさまを対象に第2回コロナ緊急アンケートを行い、1085名の方にご協力いただきました。(https://news.peer-ring.com/4984/)。
同調査では、コロナ禍でも前向きに過ごすために日々心がけていること を自由記述で答えていただきました(回答者数600人)。
がん治療と仕事や生活の両立を図るために、多くの方がさまざまな工夫をしていることが分かりました。
今回はその一部をいくつかの項目に分けてご紹介いたします。
長引くコロナ禍を前向きに過ごすヒントが詰まっています。
ご自分に合う工夫や心がけを、どうぞ見つけてみてください。
「Q.コロナ禍において、がん治療と生活・仕事などとの両立を図るために、日々の生活で工夫していることや、前向きに過ごすためにあなたが心がけていることなどがあれば教えてください」(回答者数n=600)
1.気分転換の趣味や運動(37% 222人)
◇散歩・ウォーキング
- 一日一回は散歩に行って外の空気を吸って、気分転換をしている。
- ピアリングを通じてFitBit(フィットビット)を着用するようになり、仲間とレースをしながら運動するようにしている。
- 歩くことは、体だけなく精神的にも良い影響を与えると思っています。
- 海沿いに住んでいるので自転車や散歩で気分転換や体力回復をはかる。
- 朝の散歩。近所の寺社巡りを兼ねて。
- 田んぼ道や運動公園などを毎日歩く。太陽の光を浴びて、外の空気を吸う。
◇室内のエクササイズ
- 家の中で出来る筋トレなどをする。
- 自宅でエアロバイクなどの運動をして、仕事復帰のために体力を維持しながら、気分転換をしている。
- 自宅内で1日1時間は腹筋やヨガをしています。
- お風呂上がりにストレッチをするなど、自分と向き合う時間をとるようにしている。
- ラジオ体操第1、第2、第3を1日2回行っている。体も心もスッキリ前向きになれます。
◇勉強する
- 空いた時間に資格取得の勉強をしています。この時期だからこその時間の使い方をし、コロナ禍を有効活用したいと思っています。
- 家にいる時間で語学の勉強を始めている。
- ネットを利用し、今だからできる勉強をしたりして、自分が病気であることをあまり考え無いようにしている。
- 前向きに過ごすために、がんのセミナーに参加したり、ネットを見たり、本を読んだりして、がんに関する新しい治療薬や治療法などの情報を収集しています。がんナビゲーターの試験も受け合格しました。
◇趣味に没頭する
- 読書やお菓子作り、料理など、集中して楽しめることに目を向けるようにしています。
- 子供の頃習っていたピアノを始めた。
- レンガタイルを買ってプチリフォームしています。
- 自宅でパンを作って楽しく過ごす。
- 図書館でいろんなジャンルの本を借りて、余計な事を考える時間を減らした。
- 好きな音楽を聞き、録画しておいた推しのドラマ見て過ごす。
- いままでくだらない、無駄だと思っていたことを思い切り楽しむ(漫画やお笑いなど)
- 好きな手芸に没頭する。
- なかなか外出での気晴らしができないので、ガーデニングを始めた。
- 見た目から病人のようなファッションは嫌なので、見た目も華やかで元気そうに見えるファッションを楽しむようにしている。
- いつもより丁寧にコーヒーやチャイ、ミルクティーを作ったりして1人時間を満喫しています。
- 平日はアロマを焚いて心地よい香りの中で仕事をする。香りの効果は大きいです。
- 愛犬との時間を大事にしています。
- お風呂時間を楽しく。入浴剤、マッサージを楽しむ
- 深呼吸や瞑想などを日々の生活に取り入れている。
2.感染対策をしっかり行う(29%、175人)
- 抗がん剤治療の時と変わらず、手洗いやうがいなど続けています。
- マスクは不織布をしっかりつける。
- 基本的な感染予防をしっかりして、いつもどおり過ごす。
- 帰宅したらすぐに手洗い、顔洗い、うがい、シャワーを徹底。 室内にはウイルス持ち込まないように、アウターや靴は玄関で消毒しています。
- 感染対策は人それぞれなので、気が合わない人とはかなり距離を取る。
- 出来る限り車で通院している。
- 通販やネットスーパーをなるべく利用して、買い物の回数を極力減らしています。
3.心を整える・ポジティブに考える(27%、162人)
◇心の持ち方
- 語尾に『ありがとう』をつけて、日頃の感謝を忘れないようにしています。
- 自己肯定感アップダイアリー書いています。後から読み返して、メンタルサイクルの参考にもなります。
- 自分の感情を押し殺さないで口に出してみる。
- 無理に前向きにならないけど、悲観的にもならないようにする。
- 問題解決を積極的にし、それでも無理ならメンタル強化やストレス耐性について知識を入れるようにしています。
- 様々な不安はあっても、マイナスの言葉を口にしないように気をつけています。自分の言葉に気持ちが引きずられてしまうので。
- 自分に『頑張ってる!すごいよ!』と言っています。
- 髪が生えて卑屈な気分から脱し、前のように笑って暮らしています。ガンになった自分に慣れて、受け入れたからだと思います。ガンと一緒に行けるところまで生きていくぞー!という感覚です。
- 癌である事を普段はあまり考えないように、仕事を始めたり、子育てをしたり、なるべく癌にかかる前の生活に戻して気持ちを上げるようにしています。
- 『元の暮らしに戻る』という発想をすると大変苦しいので、新しいステージに進むと考えようと努力しています。
◇情報の取捨選択
- コロナ下での治療に関する不安点は随時主治医の先生に質問し、必要以上に心理的心配は作らないように心がけています。
- テレビやネットの情報を見過ぎてコロナへの不安を無駄に煽らないようにして、メンタルを守っています。
- ネット検索を必要以上にしない。
- 情報番組は信用しない。テレビの情報には必ず別のどこかでエビデンスを探すようにする。
- 自分を落ち込ませる不必要な情報には近づかない
- 根拠のないネガティブな情報や人に近づかない。
◇今を大切にする
- 未来のために自分の今を犠牲にして生きることはやめて、今の幸せを大切にしようと思っている。
- 治療のことも、コロナのこともあれこれ考えても自分ひとりではどうすることもできないので、今自分にできることに目を向けて過ごすようにしています。
- 命は時間、今生きていることを大事にしようと自分に言い聞かせている。
- 今日一日を悔いの無いように生きようと心がけている。ガンだけでは無く、コロナなど、人はいつか必ず死ぬということを心に留め置いている。
- 先のことを考えるとキリがなく、悪いことばかり連想しがちなので、「今」を見つめて「今」を生きることが大事だと思って過ごしています!
◇笑う
- 落ち込まないように、笑顔をたやさない。
- 私はガンに負けない!と強い意志を持ち、日々笑顔で過ごすようにしています。
- 笑うと免疫が上がると聞いたので「ラフターヨガ」をするようになりました。
- 当たり前に過ごせる日々に感謝して、笑って過ごす。
- 些細なことでも、面白いことや良いことがあったら声を出して笑うようにしています。
- 家族との会話を増やしてなるべく笑うようにしています。
- 体が辛いこともあるのですが、毎日を笑顔で過ごすように頑張っています。
4.コミュニケーション12%、69人
◇家族と
- 子供と一緒に過ごせる時間を大切にするよう心がけている。
- コロナ禍で夫も在宅勤務となり、会話が増えた。こんな世の中だからこそ、家族とコミュニケーションとって笑顔でいる事を心がけています。
- 家族との時間を大事に会話も多くする。
◇オンラインで
- 実際に会えない方とはオンラインミーティングやラインなどで会話して関係が途絶えないような工夫をしている。
- 孤独感を感じないように、メール等でお友達と連絡を取り、直接会わない。
- オンラインイベントに参加して交流する。
◇がんを経験している仲間と
- 周りでがんになった人がいないので,辛いことがあったらピアリングの中で相談したりしています。
- ピアで皆さんのダイアリーを参考にさせていただき生活の励みとなっています。
- 同じ病気の人達との会話で勇気を貰える。
- ピアリングサイトで、共通の治療や思いがある事を知り、沢山の投稿を読ませて頂く事で、自分一人じゃない、 みんな同じような状況の中で頑張っているんだと励まされ、しっかりしようと思えるようになった。
5.睡眠・休養・身体を整える(10%、59人)
- 規則正しい生活リズムを作り 免疫力を上げるような食生活を心掛けています。
- 腸をいい状態にキープしておくよう心がけています。
- 栄養が偏らないような食事、適度な運動と質の良い睡眠をとることを心がけています。
- 早めに疲れを取るためにはまず、疲れを感じるように、アンテナ張って無理はしない
- 『全部を80%で』を意識しています。仕事も家事も子育ても、がんばりすぎない。『そこそこ』『ぼちぼち』やっています。
いかがでしたでしょうか。私自身、みなさまの回答をまとめる過程で「これは取り入れてみたい!」と思ったり、深い考えに感銘を受けたりしました。なかなか前向きになれない、長引くコロナでふさぎこみがち…という方に、何かしらのヒントになれば幸いです。
(文・編集:ピアリング編集部 フミ)