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【ご報告】「第2回 新型コロナウィルス感染症(COVID-19)感染拡大によるがん患者さんへの影響緊急調査」

新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の「第3波」の影響を調査するアンケートを実施しました。

今年4月に実施した第一回に引き続き、今回も1,085名もの会員さんにご協力いただきました。


大変多くの皆さまからのご協力に、心より感謝いたします。

本調査が、コロナ感染拡大の中で、がん治療に向かう方々の状況を客観的に把握し
コロナ以外の疾患を抱える方の治療態勢、サポート体制を維持するための情報発信となれば幸いです。

アンケートの結果はこちら↓


◇結果概要

●がん治療へ「影響を受けている」:13.9%(151人)
●「感染への不安から自ら通院を延期している」:55人
●現在治療中のがん以外の「がん検診を自己判断で延期している」:23.8%(258人)
●過去30日間の体調「気分が落ち込んで暗くなる」が強まった:30%(323人)
●コロナ感染拡大後「運動量が減った/大きく減った:59%(640人)
●コロナ前から「就労状況に変化があった」:31.3%(260人)
●コロナ前と比べて「世帯収入が減った」:39.6%(430人)

 

がん治療への影響を受けていると回答した人の割合は4月調査(第1波)より10%減少しました。
感染拡大が長期化する中で、がん治療等コロナ以外の疾患への治療体制が医療側の努力で維持されてきたことが推察されます。しかし、年末からの感染急拡大で、再び医療のひっ迫とがん治療への影響が懸念されます。

感染への不安から、自己判断で通院を延期している人の割合は前回調査と同水準で、自主的な受診控えが依然として続いていることが示唆されました。

またその他のがん検診を延期している人も多く、「早期発見」に影響が出ることが懸念されます。

就労に関する設問では、仕事減・収入減と回答した人の割合が3割を超え、治療費の負担が重いがん患者の経済的環境の悪化が懸念されます。

回答の分析で、治療への影響が出ている人のほか、AYA世代、一人暮らし等の属性のがん患者さんに、より強い精神的ストレスが生じている可能性が示唆されました。

これらの方々への支援強化が求められます。



◇調査対象(n=1,085)

            年齢

            家族構成
            居住地域

            罹患したがん種

            現在のがん治療状況

 

◇アンケート結果


◆新型コロナウイルス感染拡大により、がん治療に関して影響を受けましたか?(回答数 n=1,085)
※新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の「第3波」と報道された11月以降の状況をお答えください



◆上記で「①大きく影響をうけている 」、「②少し影響をうけている 」、「③どちらともいえない 」とお答えの方へ、どんな影響を受けましたか?

※複数回答可(回答者数 n=231)


◆がん治療に付随する次の内容のうち、新型コロナウイルス感染拡大により、あなたの予定が遅延するなど影響を受けた項目があればチェックを入れてください。
※複数回答可(回答者数 n=1,085)

◆新型コロナウイルスに自分や家族が感染する不安をどの程度感じていますか?(回答数 n=1,085)


◆新型コロナウイルスに関して、感染の不安以外にどのような不安を感じていますか?    当てはまるものをお答えください。※複数回答可(回答者数 n=1,085)

 


◆過去30日間のご体調についてお聞きします。以前と比べて強まったと感じる項目があればチェックをしてください。
※複数回答可(回答者数 n=1,085)

 

◆過去30日の間にどれくらいの頻度で次のことがありましたか?(回答数 n=1,085)

 

◆K6による気分・不安障害のスクリーニング結果(回答数 n=1,085)

※K6とは、国民生活基礎調査等で用いられるうつ・不安障害に対するスクリーニング 方法です。
 13点以上:重度のうつ・不安障害が疑われる
 9~12点:うつ・不安障害が疑われる
(出典:国立精神・神経医療研究センター うつ・不安に対するスクリーニングと支援マニュアル)

 

◆新型コロナウイルス感染症拡大後のご自身の運動量についてお聞きします。当てはまると感じるものにチェックをしてください。(回答数 n=1,085)

◆「本年20201月時点で就労中だった方」にお伺いします。就労状況に変化はありましたか?(回答数 n=831)
※その他「解雇、退職、仕事量減以外」は、本年1月には、すでにがん治療のため休職に入っていた方などが多数含まれています。

 

◆皆様にお伺いします。本年2020年1月時点の世帯収入と比べて、直近の収入に変化はありましたか?
(回答数 n=1,085)

◆現在治療中のがん以外の定期がん検診(健康診断のオプション等含む)についてお伺いします。
ex: 乳がんの方→子宮体がんなど婦人科がん検診、
              婦人科がんの方→乳がん検診、または胃がん・大腸がん検診など)
    これらの検診を予定どおりを受けていますか?(回答数 n=1,085)

◆新型コロナウイルス感染症拡大に関連して、困っていること、悩んでいることがあれば自由にお書きください。(回答者数 n=521)

※代表的な回答

 

◆コロナ禍において、がん治療と生活・仕事などとの両立を図るため日々の生活で工夫していることや、前向きに過ごすためにあなたが心がけていることなどあれば、教えてください。(回答者数 n=600)

※代表的な回答


 

クロス分析年齢×抑うつ状態

若い世代ほど、抑うつの割合が多い傾向が見られました。AYA世代がん患者へのメンタルサポートなどの必要性が益々高まっていると考えられます。

 

クロス分析】 コロナ影響度×抑うつ状態

治療にコロナの影響を受けている人ほど、抑うつの割合が多い傾向がみられました。治療の延期については、丁寧な説明や治療の見通しの提示などが必要であると考えられます。

 

クロス分析】同居状況×抑うつ状態

独り暮らしの人2人以上世帯の人に比べて、抑うつの割合が多い可能性が示唆されました。コロナの影響で孤独感が増す生活状況の中でのがん治療は、精神的に厳しく、オンラインでのピアサポートなど支援強化が求められます。

(参考)

アンケート実施主体:一般社団法人ピアリング
実地手法:オンラインアンケート
監修:乳腺外科医 鈴木瞳医師(一宮西病院)
分析:松村聡子(一般社団法人ピアリング)
実施期間:2020年12月12日より1週間
総回答数:1,085件

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