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【ピアリング☆ドクターズコラム】教えて!尚美先生!~下半身のリンパ浮腫~

どうすればいい?下半身のリンパ浮腫

ピアリング婦人科顧問ドクターの原野尚美先生からコラムが届きました。今回はみなさんが気になるリンパ浮腫についてです。気になるけどなかなか正しい対処法を知らないという方も多いかもしれません。

教えて!「リンパ浮腫」の治療と予防

リンパ浮腫はリンパ節郭清を行うことでリンパの流れが停滞してしまいむくみが生じてしまうものです。又、リンパの還流機能が低下しリンパ管の閉塞により浮腫が悪化していきます。
発症時期は個人個人で異なること、見た目にはあまり左右差がない場合でも既にリンパの流れが悪くなってきていることがあります。

そのため、リンパ管造影などの客観的な方法で今現在のリンパ管の状態を把握し適切な治療をしていくことが大切です。
近年、リンパ浮腫外来が増えてきています。初期の症状としてだるさや疲労感、違和感などがあります。そういった症状がある場合は一度専門外来で相談されてみてもいいと思います。


【リンパ浮腫についてのよくあるギモン】

Q.術後はやくから日常的に弾性ストッキングを履くことは、リンパ浮腫の予防になりますか?

ー一般的にリンパ浮腫に対しては弾性ストッキングなどの圧迫療法は有効な予防法、治療法とされています。しかし、体に合わない圧や長さのものを使用するとかえってリンパ浮腫が悪化することがあるため、外来で看護師さんなどに足の大きさ、太さを測定してもらい適切なものを使用することが大切です。医療用のものをお勧めしています。
できれば日常的に履くことをお勧めしますが、夏などは夜だけ履いて足をあげて寝るだけでも予防効果はありますのであまり無理せずできるときに履いてみてください。

Q.術後、鼠径部のムクミがとれません。自然に治るリンパ嚢胞と言われましたが、リンパ浮腫とは違うのですか?何もしなくても消えますか?

A.大腿部や外陰部に術後一時的にリンパ浮腫が出現することがあり、これは2週間くらいで収まることが多いです。リンパ嚢胞はリンパ液が袋状に溜まってしまうことであり、おそらく先生はリンパ浮腫=リンパ嚢胞として言葉を使われていると思います。
しかし、むくみが取れない場合はリンパ浮腫としての治療が必要だと思われます。

下肢で作られたリンパ液は鼠径リンパ節という足の付け根のリンパ節に流れ込み、骨盤リンパ節に流れていく経路がメインです。しかし骨盤リンパ節郭清によりその流れが滞るため、鼠径部のむくみとして症状が現れることはしばしばあります。

弾性ストッキングでは鼠径部までカバーできないため、リンパドレナージが有効の場合があります。保険適応ではないため自費となりますが、一度リンパ浮腫外来にご相談に行かれると、適切なマッサージの仕方を教えてもらえるので自分で行うこともできると思います。

なかなか改善されない場合でも、正しい知識を身に着けて工夫をすることにより、自分に合った付き合い方が見つかるかもしれません。気長に上手に付き合っていきましょう!

文:原野尚美(日本産科婦人科学会専門医 公益財団法人佐々木研究所付属杏雲堂病院)/ピアリング編集部

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