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【コラム】Close the Loop~乳房再建の啓蒙活動のおはなし~ by うり

Close the Loop、皆さんはこの言葉を聞いたことがありますか?

 

こんにちは。ピアリング会員のうりです。
みなさんは、Close the Loopという言葉をご存知ですか?
Close the Loopとは、
乳がんの診断、治療に続いて、乳房再建を受ける権利の意識を高める運動、つまり、「乳房再建の啓蒙活動」を表す言葉です。

皆さんご存知の通り、ピンクリボンは上側にだけ輪がありますよね。Close the Loopはその輪が下側にもできています。乳房再建によって、ピンクリボンを閉じる、そんな姿を現しているのだと思います。


 

先日、NPO法人 女性医療ネットワークマンマチアー(Mamma Cheer)委員会第112回チアー活動に参加した時に、初めてこの活動のことを知りました。

この時の講師は三井記念病院形成外科科長、形成外科医の棚倉健太先生。

先生はClose the Loopの描かれた洋服を着ていらっしゃいました。

 

日本の乳房再建について、うりが思うこと。

今の日本における乳房再建は地域格差が大きいと感じています。

首都圏には乳房再建ができる形成外科医も多数いらっしゃいます。
ですが、地方へ行くとそうではありません。形成外科そのものがない病院もあります。

形成外科があったとしても、インプラントによる再建しかできない、自家組織の中でも穿通枝皮弁による再建はできないということも多々あります。

乳がんの手術後、失った乳房を再建できる、それすら知ることができない人もいます。

乳房を失った悲しみ、辛さ、苦しみは世界のどこに住んでいても一緒。

どこに住んでいても乳房再建について情報を得ることができる。そして、誰もが再建について考えることができる、そんな世の中になって欲しいと願っています。

 

そのためにはもちろん、医療者の力も必要ですが、再建を経験した患者の生の声が大きな情報源になるのではないでしょうか。患者同士が繋ぐ輪が大きな力になる、そう思っています。

 

Close the Loop、それは、乳がんに罹患した女性が、女性として、強く、幸せになるための道しるべとなる運動だと感じています。まだまだ聞き慣れない言葉ですが、その輪のために、私自身も小さな一歩を踏み出してみたいと思います。
ピアリングレポーター・byうり

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