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【コラム☆ピアリング】告知から治療開始までの期間が不安なあなたへ

ピアリング顧問ドクターの鈴木ひとみ先生から、乳がんの告知を受けた皆さんへのメッセージが届きました。

「がんの告知」から手術など「治療開始」まで、大病院では1か月以上かかることも珍しくありません。ピアリングでも、これまで、この無治療期間について、繰り返し不安の声があがっています。

ピアリング編集部では、ひとみ先生に、ピアのみなさんの声をお伝えし、本コラムを執筆いただきました。

告知から治療開始までの期間が不安なあなたへ

乳がんと診断された方の中には、「手術まで1か月以上あいてしまって大丈夫なの!?」と心配される患者さんが多くいらっしゃいます。

また、「非浸潤がんと言われたけれど、手術までの間に浸潤がんになって手遅れになっちゃうんじゃないの!?」という声も頻繁に耳にします。そんな不安を持たれる方が、これを読んで、ちょっと落ち着いて自分のがんと向き合えるようになれたら嬉しいです。

がん細胞の増殖と進行

そもそも「固形がん」というのは、異常ながん細胞が増殖して、特定の臓器や組織に塊を作ったものです。私たちの体には、異常な細胞が作られるとそれを検知して取り除くシステムも備わっているので、がん細胞が発生したとしても、すぐに目に見える形で現れるわけではなく、このシステムをすり抜けたがん細胞が何年もかけて増殖したものだけが、いわゆる「固形がん」になります。

がん細胞は一旦増え始めるとずっと増殖し続けるので、別の組織に入り込んで「浸潤」しますし、さらには他の臓器まで入り込んで「転移」していきます。非浸潤がんも放っておけば浸潤がんへと進行します。

乳がんは、他臓器のがんと比較すると増殖スピードが遅く、1㎝の塊になるまでに約7年かかるとも言われています。長い年月をかけて徐々に姿を現してきた「がん」ですので、手術可能な状態で発見された時点から手術までの1~2か月で手遅れになるケースはまずありません。

サブタイプと治療方針

さて、乳がんでは、腫瘍の大きさやリンパ節転移の状況から現時点でどれくらい進行しているのか分類されるステージ(病期)と、がん細胞の性質によって分類されるサブタイプを基本情報として、治療方針決定や予後予測をします。

ステージのみでも治療方針はおよそ確立しており、0期(非浸潤がん)からⅢa期は手術、Ⅲb期以上では腫瘍量が大きく手術でがんが取り切れないこともあるため薬物療法を基本とし、状況に応じて手術を追加します。

最終的な病期や術後治療は、手術から得られる情報により確定することも多いので、主治医は術前の画像所見や病理所見に基づいて、適切な手術日程を設定して「がんを完全に取り切る」ための計画を練ります。

診断から手術までの1~2か月で画像検査や血液検査などを受けると思いますが、きちんと手術でがんを取るためには、これらの準備をある程度時間をかけて丁寧に行うことが必要不可欠なのです。

ですので、この間に皆さんがすべきことは、自分の検査結果を知り、今後の治療プロセスをきちんと理解すること、仕事や家族の予定など手術や術後治療に向けてスケジュールを調整すること、睡眠をしっかり取り体調を整えること(風邪で手術が延期になってしまったりしないように。。。)です。

そして、不安なことや分からないことは早めに主治医や看護師に質問して納得のいく治療を受けましょう。

サポートを上手に使って気持ちを楽に

誰もが、がんと告知された時にはその衝撃で頭が真っ白になり、いてもたってもいられなくなります。しかし多くの場合、2週間程度で少しずつ心の落ち着きが戻ってきます。

少し外に目を向けると、医師や看護師だけでなく、大切な家族、同じ思いを共有できる患者会、専門家が揃っているがん相談支援センターなど、沢山のサポートグループがあります。

偏った考えや情報に惑わされることなく、手術までのなるべく早期に適切なサポーティブケアを受けることで、気持ちがぐっと楽になります。

ピンクのハート型のリボンのイラスト

テキスト:鈴木瞳先生(一宮西病院・乳腺外科 ピアリング顧問)

               
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