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ピアリング顧問ドクター・ひとみ先生への質問箱vol.1

Q1.茜さんの質問「タモキシフェンのみで良いの?」

術後2ヶ月半以上経過。
左乳がんで全摘、ステージ2でリンパ郭清あり。
現在タモキシフェンのみの治療。
ステージ2でリンパ郭清したのにタモキシフェンのみで良いのか不安です。

ひとみ先生より

病態の詳細や経過が分からない部分もありますのでお答えできる範囲で。

最近、乳癌の治療戦略として多く議論されていることのひとつに、治療の強度や期間をescalation, de-escalationするという概念があります。

必要な治療をすることは勿論ですが、過剰になりすぎないように、一人ひとりのがんの再発率や全身状態を見て、個別化医療を展開していこうというものです。

ですので、同じステージの乳癌でも同じサブタイプの乳癌でも、治療内容は異なってきます。

どういう理由で抗がん剤をするのか、あるいはしないのか、分子標的薬を使うのか使わないのか、主治医の先生とよく相談して納得のいく治療を進めていくのが良いと思います。


Q2.susieさんの質問「術前抗がん剤で疲れやすく。手術は大丈夫?」

術前抗がん剤(EC×4、ドセタキセル×4)、明日で最終回の予定です。
ドセは蓄積性があると聞きましたが、非常に疲れやすく、ちょっとした傷の治りも遅いです。
こんな状態で外科手術はできるのでしょうか。手術までの間に回復するのでしょうか。

ひとみ先生より

4/3に最終投与ということでしたので、もうすでに手術は終わっているかもしれませんね。

術前化学療法の場合、抗がん剤の最終投与からおよそ1か月~1か月半程度で手術を企画することが多いです。

何か月も間隔を空けない理由としては、抗がん剤治療終了から手術までの無治療期間をなるべく短くするためです。せっかく頑張って抗がん剤治療を受けて小さくなった癌が再び大きくなってしまうのは嫌ですよね。

抗がん剤は、およそ3週間~4週間で身体から抜けていきます。治療中は毎回白血球が戻っているか確認しながら投与していたと思いますが、最終投与の後も、周術期の感染を予防するために採血をして、白血球の戻りや肝機能・腎機能の悪化がないかどうかの確認をします。

採血結果で大きな異常がなく、感染リスクや全身麻酔リスクがないと判断できれば予定通り手術が受けられます。

抗がん剤がすべて抜けるまでは更に数か月かかるので、中には体調が戻っていないと感じて不安な方も多いと思いますが、ほとんどの方は1か月程度すれば体力も回復して十分手術は受けられる体に戻りますよ。


Q3.そらくもさんの質問「この薬、ホルモン療法中に飲んでよい?」

ホルモン療法の副作用で、メンタル系の薬を飲んでらっしゃる方に質問です。
PMSに使うお薬のジェイゾロフトを処方されました。ホルモン療法による不安定さには合っているとのことですが、ホルモン療法中にホルモンバランスを整える薬はいいのでしょうか。

ひとみ先生より

乳癌ホルモン剤治療の大前提は、女性ホルモンであるエストロゲンの産生抑制・作用阻害です。

主に卵巣から血中に多く供給されているエストロゲンですが、ホルモン剤を飲むことで、このエストロゲンががん細胞にくっつく経路がブロックされます。

一般的に精神腫瘍科や心療内科で専門医が処方するものは主に神経作用性(薬剤師さんも書かれていましたね♪)のものが多く、ダイレクトに女性ホルモンに働きかけるような薬は選択されないかと思います。

ただ、人間の体は複雑で、神経やホルモンや免疫系などあらゆる機構が作用しあって均衡を保っていますので、相互作用が出うることはあります。

不安症やうつの治療薬を出される医師と癌の主治医が別であれば、各ドクターにその都度処方薬について尋ねてみるのが一番安心できると思いますよ。


回答:鈴木瞳先生(一宮西病院・乳腺外科 ピアリング顧問)

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