がんを経験した方の手記を読んだり、お話を伺ったりすると、「告知後のショック、再発時のショック」のことが話題にのぼります。
泣きながら家まで帰った 色々なことが頭を渦巻いて、呆然自失になった 何かの間違いだと思い、治療を先延ばしにした 崖から突き落とされたような、その日のことを「告知記念日」と呼んで、振り返る方も多いですよね。
筆者も、乳がんを告知されてからの1週間は、子どもが寝た後、ふとんの中で毎日泣いていました。ネットを見ても、亡くなってしまった方の記事にばかり目がいき、恐怖と不安でいっぱいでした。
ふんぎりがついたのは、1週間たっぷり落ち込んでから。 相手(病気)を知り、何をすべきか理解しようと、前向きに戻り、病気の勉強をはじめました。 このように、告知後、大きなショックを受けて落ち込むことは、きわめて普通の反応です。
個人差はあれども、通常は、がんの発見や再発の告知から2週間ほどで、日常生活には支障のない程度に気持ちも回復してくるようです。
でも、時に、告知のストレスからなかなか回復せず、2週間以上たっても、不安が強い状態や落ち込んだ状態が長引いてしまうことがあります。 そのような時は要注意!
うつ状態や、適応障害など、心のケアが必要な状態になっていることが考えられます。 また、告知、手術、とがんばってきても、抗がん剤治療やホルモン療法の副作用で、気分の落ち込みや不眠に悩む方も多いですよね。
私の周囲では、ひとりで我慢せず、がんの治療と心のケアを平行して行って、つらい時期をのりきっている方が多いです。
最近では、心療内科や精神科のほかに、がんに関連した心の問題をケアする精神腫瘍科 をおく病院も少しづつ増えてきましたね。
なんでもないのに涙がとまらない 不安でしょうがない 、眠れない 、そんな精神的につらい状態が続いていたら…
自分が弱すぎるのでは、なんて、決してご自身を責めないでくださいね。
我慢しないで、治療を受けている病院の医師や看護師さんに相談してみましょう。 専門家のケアをうけることで、心身の負担はずっと軽くなるはずです。 Peer Ring 編集部 (参考)国立がん研究センターがん対策情報センターがん情報サービス