がんの半分以上は原因不明で完全な予防は不可能とされており、日本では二人に一人ががんになる時代です。
がんと言えば、30年前は患者の悩みのトップは抗がん剤による吐き気・嘔吐だったのですが、副作用対策薬の開発のおかげで、今やトップテンにも入っていません。
代わりに家族への負担や仕事、社会生活への影響が悩みの上位に繰り上がってきました。がんと治療の直接の負担よりも、それに伴う人間・社会関係への影響がクローズアップされるようになったわけです。
これらは病院側の努力ではどうにもならない事が多く、数あるがん患者会やがんコミュニティが支援の一躍を担ってきました。ところが、罹患総数第1位の大腸がん(※)の患者会は大きなところがありません。その理由は、ありふれたがんであり、手術で完治することも多いせいかも知れません。
しかし、治療後に人工肛門や排便異常など、話しづらい悩みを抱える方も多く、社会や家庭で多くの役目を果たしている女性からは、同じ立場の相談相手が切望されています。ステージIVであっても、薬物療法の発展で、治療に向き合いながら日々の暮らしを長く続ける方が増えた今、互いの支えとなるネットワークの必要性が増しているのです。
折しも新型コロナウイルス感染症のため、現地開催が厳しくなってきたがん患者コミュニティの中でも、女性がん患者のためのオンラインがんコミュニティ・ピアリングは大変賑わっています。そこで当方が医学顧問を拝命し、女性のコミュニケーション力をお借りして、女性のための大腸がん消化器がんSNSコミュニティ・ピアリングブルーを設立することになりました。
これからのがん治療人生を支えるため、女性大腸がん消化器がん患者・サバイバーが集える「場」を構築できるよう、是非皆様にご協力をお願い申し上げます。
※(最新がん統計・国立がん研究センターがん情報サービス):がん罹患数の順位
https://ganjoho.jp/reg_stat/statistics/stat/summary.html