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乳房再建を知ろう!ぴあ勉強室Vol.5<こんな再建法もある!乳房再建の先端技術CALを知ろう>

みなさん、こんにちは

ぴあ勉強室「乳房再建を知ろう!」の最終回です。

今回は、乳房再建の先端技術CALについて、乳房再建ナビゲーター・辻直子先生が解説します。

こんな再建法もある!乳房再建の先端技術CALを知ろう

私が院長を務める「セルポートクリニック横浜」では、脂肪注入術を再生医療技術で改良した“CAL組織増大術”を使った乳房再建を行っています。名前が長くて難しいので、いつもは「CAL(キャル)」と呼んでいます。

注入脂肪の生着率を高める幹細胞

CALは「 Cell-Assisted Lipotransfer 」を略した造語で、細胞で援助した脂肪移植術を意味します。

脂肪注入術は、脂肪を注入してもほとんどが吸収されてしまって思うようにボリュームアップできないと言う、生着率の低さが大きなデメリットです。

そこで、患者自身の脂肪から抽出した幹細胞を注入脂肪に加えることで、注入脂肪の生着率を高めることができることが分かっています。

この“幹細胞を抽出する技術“ ”幹細胞を高濃度で含む脂肪を注入する技術“ がCALです。正確には、幹細胞以外の様々な細胞も一緒に注入をします。この様々な細胞が混ざっていることで、「幹細胞が脂肪細胞になる」以外にも「血管をつくる」「血管をつくるよう周りの組織に命令する」といった様々な良い効果が現れていると言われています。

放射線治療後の皮膚の状態が改善したという報告もあります。

CAL( Cell-Assisted Lipotransfer)とはどんな技術なのか。

「“幹細胞”って美容外科でよく耳にしますが、CALは何が違うのでしょう?」と、よく聞かれます。

ポイントは幹細胞の抽出技術にあります。

CALの幹細胞抽出は細胞調整技師と呼ばれる専門技師が手作業で行います。また、通常破棄される脂肪吸引時に得られる液層部分からも幹細胞を抽出することが可能です。この技術は特許を取得していて、CALの特別な技術です。この技術を使うと、例えば痩せ型で幹細胞抽出用の脂肪が確保できない方も、注入用の脂肪から得られる液層を用いて幹細胞を抽出・付加することが可能です。

CALを用いた乳房再建

CALを用いた乳房再建の方法は、基本的には脂肪注入術と同じです。

乳房温存術後の方には、切除部分にCALで脂肪を注入してなだらかな形状に整えます。

乳房切除術後の方には、シリコンインプラントを併用してCALの脂肪注入を追加する方法と、CALの脂肪注入を複数回繰り返して脂肪のみで乳房をつくる方法があります。

CALはどのような場面で活用されるのか

他の病院で皮弁法やシリコンインプラント法で再建された方が、細かい部分の修正の為にCALを活用される場合も多くあります。

CALのメリット・デメリット

細かい部分の修正を望む方や、整容性を高めたい方にもメリットのあるCAL法ですが、脂肪注入術同様に自由診療の為、治療費が比較的高額となります。

直子先生より「CALはこんな人に向いている!」

乳房温存術後で大きな傷を増やさず再建したい方

放射線治療後で再建を断られてしまった方、

再建したけど整容性を高めたい方

にお勧めです。


☆ナビゲーター:辻直子

<プロフィール>平成10年信州大学医学部卒業。東京大学形成外科入局

自治医科大学形成外科助手、杏林大学形成外科助教を経てセルポートクリニック横浜院長。

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