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乳房再建を知ろう!ぴあ勉強室Vol.4<3つの再建方法その3~脂肪注入術(総論)~>

みなさん、こんにちは。

4回目のぴあ勉強室は、近年注目を集めている「脂肪注入術」

そのポイントについて、乳房再建ナビゲーター・辻直子先生がわかりやすく解説します。

最近話題の「脂肪注入術」とは?

皮弁法と同じ、自分自身の組織を使用する自家組織再建の一種です。
皮弁法では、血管の繋がった組織ごと移植をしますが、脂肪注入術の場合はカニューレと呼ばれる細い管を用いて吸引した脂肪を、注射器で注入して移植する方法です。

脂肪を吸引して

  注入します

「脂肪注入術」のメリット・デメリットを知ろう。

大きな傷をつくらず、体への負担も小さい為、日帰りか1泊入院で手術ができます。

更に温かく柔らかい組織の再建が可能というメリットがあります。

ただし、一回の手術で大幅なボリュームアップが難しい為、複数回の手術が必要となる可能性があります。

その為、乳房温存術後で切除量の多い方は皮弁と脂肪注入を組み合わせたり、乳房切除術後の方はシリコンインプラントと脂肪注入を組み合わせる方法を採用される場合もあります。

混合診療はできませんので、この場合は皮弁やシリコンインプラント挿入の手術とは別の手術で脂肪注入を行う必要があります。 また、自由診療の為、治療費が比較的高くなります。

直子先生より「脂肪注入法はこんな人に向いている!」

・お金や時間をかけてでもキレイで自然な乳房にしたい方
・新しく大きな傷を増やしたくない方
・長期の入院を避けたい方
※脂肪注入術は、皮弁法やシリコンインプラント法で整えきれなかった細かい部分の修正等にもよく用いられています。

☆ナビゲーター:辻直子

<プロフィール>平成10年信州大学医学部卒業。東京大学形成外科入局 自治医科大学形成外科助手、杏林大学形成外科助教を経てセルポートクリニック横浜院長。

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