みなさん、こんにちは。ピアリング編集部です。
前回ご紹介した、乳房再建ナビゲーター・辻直子先生と一緒に、いよいよ再建方法の基礎知識を学んでいきたいと思います。
辻直子先生
これから3回わたって、乳房再建の方法について基礎的な内容をお話ししたいと思います。
ここにおられる方々は勉強熱心な方が多いので、既にご存知の情報も多いと思いますが、 まずは“基礎編”と言うことでご容赦ください。
自家組織再建の一種で、主な方法では皮弁(腹直筋皮弁、広背筋皮弁など)があります。
「自家組織再建」とは、自分自身の組織を使用した治療法という意味です。「皮弁」とは、血の通った皮膚やその下の脂肪や筋肉などの組織を一緒に移動させる移植方法のことを言います。
血行のある自家組織を移植するため、再建した乳房があたたかく、自然な下垂もでき、やわらかいという点です。また、シリコン入れ替えのような定期的なメンテナンスは基本的には不要です。
皮弁を採取した場所に、新たな傷ができることです。
皮弁の採取する場所は、健康な方の乳房の大きさや妊娠を希望するかなどの条件によって変わります。術後に皮弁を採取した場所の赤みやつっぱり感は徐々になくなるものの、気になる方もいます。
また、少ないながら、皮弁壊死などの合併症や感染症のリスクもあります。
・保険診療で柔らかい自然な乳房にしたい方
・人工物(インプラント)に抵抗感のある方
2次再建の場合は一旦ティッシュエキスパンダーを挿入されると思いますので、その際に違和感が強い方や固さが気になる方は、自家組織再建を選択された方が良いかもしれません。
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☆ナビゲーター:辻直子
<プロフィール>平成10年信州大学医学部卒業。東京大学形成外科入局 自治医科大学形成外科助手、杏林大学形成外科助教を経てセルポートクリニック横浜院長。